2025/06/28
入れ歯治療
「寝るときに入れ歯は外した方がいいの?」「ずっと付けていたら、口の中に悪い影響が出そう…」
入れ歯を使用している方や、ご家族の介護をされている方からよく寄せられるご質問です。
世間では「外して寝たほうが良い」とよく言われますが、くろさき歯科では“付けたまま寝る”ことを基本的におすすめしているそうです。
なぜなのでしょうか?
この記事では、なぜそのようなスタンスを取っているのか、医学的な根拠とともにご説明しながら、入れ歯の専門性についてもお伝えいたします。 今回は、入れ歯治療の専門医であるくろさき歯科 院長・黒崎俊一先生に、お話を伺いました。
多くの歯科医院では「寝るときは入れ歯を外しましょう」と指導されているようです。入れ歯の洗浄剤のテレビCMでも、そのような認識をされる内容が流されていますね。その背景には以下の理由があります。
・入れ歯による粘膜の圧迫を防ぎ、休ませるため
・入れ歯の裏側に細菌やカンジダ菌が繁殖しやすいため
・誤飲・誤嚥のリスクを避けるため
・入れ歯を清潔に保つために就寝前に洗浄が必要 これらは確かに大切な視点です。しかし、一律に「外した方がいい」と言い切ることはできません。
入れ歯の設計、適合、使用者の体調や口腔状態などによって、最適な使い方は変わります。当院では基本的に“寝るときも入れ歯を装着したまま”をおすすめしています。
大きく分けて、5つ理由があります。
1. 顎の骨の吸収を抑える
歯を失うと、顎の骨(歯槽骨)は徐々に痩せていきます。特に下の顎は吸収が進みやすく、入れ歯のフィットにも大きく影響します。
寝る時間も含めて入れ歯を装着しておくことで、顎骨に適度な刺激が加わり、骨の吸収をある程度防ぐ効果があるとされています。
2. 舌の位置が安定し、気道が確保されやすい
入れ歯を外して寝ると、舌が後方に倒れ込みやすくなり、いびきや無呼吸の原因になることがあります。
入れ歯を装着していると舌の位置が安定し、気道が広がりやすく、睡眠時の呼吸が楽になるケースがあります。
3. 咬み合わせと顎関節を安定させる
合わない入れ歯を長く使ったり、装着時間が短くなると、咬み合わせが狂い、顎関節への負担が大きくなることがあります。
夜間も入れ歯を装着しておくことで、咬合の安定が保たれ、顎や筋肉にかかる負担の偏りを防ぐことができます。
4. 入れ歯は「身体の一部」だから
入れ歯は単なる道具ではなく、「話す」「飲み込む」「笑う」といった日常動作に深く関わっています。
一日中使い慣れることで、入れ歯は“自分の一部”として自然に機能してくれるようになります。
5:配偶者の印象
入れ歯を外した顔は想像がつきますよね。その顔で寝ている奥さんやご主人を見たら、どんな気持ちになるでしょうか?配偶者には、見た目でがっかりされたくないですよね。当院の患者様で、ご主人の前で入れ歯を外したことがないという女性がいます。何歳になっても美意識は大切だと思います。
私は大きな違いがあると考えています。まずは、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いがあります。保険の入れ歯だけを作っている歯科医院と自費の入れ歯を作っている歯科医院では、入れ歯に対する考えが違います。保険の入れ歯は、時間・材料・工程に国が定めた制限があります。そのため、誤解を恐れずに言うと、「とりあえず噛めるもの」を短時間で作るというものです。
入れ歯に不満を抱えている方は、保険の入れ歯を使っていることが原因であることが多いですね。ですから、「入れ歯なんて、どこで作っても同じ」となるのですが、この点だけを捉えると間違っていませんね。
次の誤解は、「保険の入れ歯と自費の入れ歯は材料の違いだけ」というもので、この点もまったく違います。自費診療ではより多くの工程を経て、患者さまの口にフィットする、機能性・審美性に優れた入れ歯を作ることが可能です。
私たちは「入れ歯はオーダーメイドの医療装具」と考え、1人ひとりに合わせた精密な設計と調整を大切にしています。
社会にあるどんな製品でも、素材は同じでも作る会社や作る人によって同じものにはありませんよね。オーダーメイド品でしたらなおさらです。 くろさき歯科では、補綴(ほてつ)の専門医が患者さまの噛み合わせ・顎・筋肉の動きまで総合的に診断し、入れ歯を設計しています。
また、専門性の高い歯科技工士と連携し、細部にまでこだわった工程で作製しています。入れ歯作りには複数の治療者が関わるので、オーケストラによる総合芸術だと言えます。この点からも、歯科医院によって、入れ歯は全く違うものになることがお分かりかと思います。
ありがとうございます。一般的な入れ歯は1段階(型取り → 製作)で作られますが、くろさき歯科では2段階で製作を行っています。
1:仮の入れ歯(治療用義歯)をまず作製
→ これにより、口腔内の筋肉や咬み合わせのバランスを整えます。
2:その後、本入れ歯(最終義歯)を製作
→ 噛み合わせを整えて、体に慣れた状態で本番の入れ歯を作ることで、より自然で安定したフィット感が得られます。
このプロセスにより、「噛める」「外れない」「痛くない」という入れ歯に近づけることができます。
入れ歯は身体の一部ですから、当然ですが、身体に合わせることが大切です。しかし、それが難しいので、入れ歯が合わないということになってしまいます。
ノンベース入れ歯についてはこちら
その通りです。合わない入れ歯を使い続けると、咬み合わせが狂ってしまい、顎関節や筋肉のバランスにも影響します。
その結果、肩こりや頭痛、飲み込みの不調など、口の中以外にも症状が出ることもあるんです。
だからこそ、自分にピッタリ合った入れ歯を日常的に装着することが、健康の土台になります。
「付けたまま寝ていい」とはいえ、ただ放置するだけでは逆効果になってしまいます。以下の点に注意してください。
◉毎日必ず清掃を行う
就寝前・起床時には必ず外して丁寧に洗いましょう。特に裏側(粘膜面)はしっかりブラッシングすること。
◉定期的にチェックを受ける
入れ歯の状態、口腔内の粘膜や噛み合わせは時間とともに変化します。3か月に1度程度の調整が理想です。
◉違和感や痛みがある場合は装着を中止
無理して装着せず、一度外して休ませてください。炎症や口内炎の原因となる場合もあります。
「寝るときに入れ歯を外すべきか?」という疑問に対し、くろさき歯科では「装着したまま眠ること」を基本的に推奨しています。
それを可能にするためには、お口にしっかり合った入れ歯を作ることが大前提です。そして、そのためには高い専門性と、患者さまごとの丁寧な診査・設計が必要です。
入れ歯は、ただ「噛む道具」ではありません。生活の質や健康を支える、大事な“医療装具”です。
「夜、付けたままでいいのかな?」「なんとなく合わないけど、我慢している」という方は、ぜひ一度、専門医にご相談いただきたいです。
くろさき歯科では、専門的な知識と技術で、患者さま一人ひとりのお口に合わせた入れ歯づくりを行っています。
「噛めるようになって、表情まで明るくなった」と喜ばれる方がたくさんいらっしゃいます。
入れ歯でお悩みの方、これから作製をお考えの方は、ぜひ一度くろさき歯科へご相談ください。
入れ歯専門医が、無料でカウンセリングを行います。
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くろさき歯科の専門家が親身になってお話を伺い、一人ひとりに最適な治療方法をご提案いたします。
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