2025/06/27
矯正治療
昨今、マウスピース矯正が普及し、歯科の矯正を希望する患者様が増えているようです。
歯並びを整える矯正治療は、多くの方にとって理想の歯並びと美しい笑顔を手に入れるための大切なプロセスです。しかし、すべての矯正治療がスムーズに進むとは限りません。
マウスピース矯正はデジタルデータを活用するために、経験の少ない歯科医師でも、治療計画を外注するなどで、治療が可能になりました。一方で、「マウスピースはきちんと歯がそろわない」というインターネット上の情報も散見されます。もちろん、そんなことはなく、歯科医師によってはきちんとした治療も可能です。
歯科医院によっては患者様の不安をなくすために、ハイブリット矯正(コンビネーション矯正)を取り入れている場合もあります。この記事では、さいたま市のくろさき歯科院長の黒崎俊一先生に、ワイヤーとマウスピースの「いいとこ取り歯科矯正」であるハイブリット矯正のメリットとデメリットについてお聞きしました。
最初に丁寧にお話をさせていただくと、歯科矯正でうまくいかないことはありますが、失敗をいうのは少ないと思います。と申しますのは、歯科矯正は「やり直し」ができるからです。あえて、失敗があるとしたら、抜かなくてもいい歯を抜いてしまったこと。そして、治療を長引かせて、患者様の時間を奪ってしまったことでしょう。歯も時間も戻ってはきません。失敗というのは、医療としての過誤もありますが、患者様のご期待に添えていないという点が大きいと思います。
治療がうまくいかない原因には、次のようなものがあると考えます。
1:初期の設計ミス
矯正治療の成功は、治療計画の精密な設計に大きく左右されます。患者様一人ひとりの骨格や歯の状態を十分に考慮せず、標準的な治療プランを適用してしまうと、思うような結果が得られません。
2:デジタルに頼りすぎる歯科医師の技術力不足
近年、3Dスキャニングやシミュレーション技術の進歩により、デジタル技術を活用した矯正治療が増えています。しかし、デジタル技術のみに頼り、実際の歯の動きや個々の症例に対応できる経験や知識が不足していると、計画通りに歯が動かないケースもあります。
3:治療中の適切な調整不足
矯正治療は長期間にわたるため、定期的な調整が必要です。しかし、調整の頻度が適切でない場合や、患者の歯の動きに合わせた細かな調整が行われないと、計画通りに進まないことがあります。
4:患者様の協力不足
マウスピース矯正などでは、患者様が指示通りに装着時間を守らないと、十分な効果が得られません。また、固定式の矯正装置でも、適切な口腔ケアを怠ると、虫歯や歯周病が発生し、治療が停滞することがあります。
5:予期せぬ生理的変化
これが歯科医師の経験が大きく影響する点なのですが、患者様の成長や加齢、歯茎の変化などをきちんと診断すると言うことです。実際、治療当初に予想していた歯の動きが変わることがあります。特に成長期の矯正治療では、予測しきれない要因が影響を与えることがあります。
6:咬合(かみ合わせ)の問題の見落とし
歯並びだけでなく、咬み合わせのバランスを考慮しないと、治療後に噛みにくさや顎関節症のリスクが高まります。矯正治療では、見た目だけでなく、機能面も重視することが重要です。
7:矯正装置の選択ミス
すべての患者に同じ装置が適しているわけではありません。ワイヤー矯正、マウスピース矯正は、それぞれに適した症例があります。誤った選択をすると、治療がうまく進まない可能性があります。
このような課題を解決し、より高い精度で矯正治療を行うためにくろさき歯科で取り入れているのがワイヤーとマウスピースのいいところ取りをした「ハイブリッド矯正(コンビネーション矯正)」です。」
ハイブリッド矯正(コンビネーション矯正)とは、従来のワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせることで、それぞれの治療の長所を最大限に活かし、短期間でより精密な矯正治療を行う方法です。
ワイヤー矯正は、歯を効率的に大きく動かすのに適しており、特に難症例や重度の不正咬合に強い特徴があります。一方で、マウスピース矯正は目立ちにくく、取り外しが可能なため、審美性や利便性に優れています。
くろさき歯科のハイブリッド矯正では、まずワイヤー矯正で大きく歯を移動させた後、マウスピース矯正に移行することで、仕上げの微調整をより精密に行うことができます。このアプローチにより、より短期間で美しく、機能的な歯並びを実現できます。もちろん、逆のパターンも可能です。先にマウスピース矯正を行い、仕上げにワイヤーを使うこともできます。ワイヤーとマウスピースの「いいとこ取り歯科矯正」と言えるかもしれませんね。
そうですね。ハイブリッド矯正のメリットは、
1. 治療期間の短縮
ワイヤー矯正を活用することで、短期間で大きな歯の移動が可能になります。その後、マウスピース矯正で微調整を行うため、全体の治療期間を短縮できる可能性があります。
2. 高い精度の仕上がり
ワイヤー矯正では大きく歯を動かし、マウスピース矯正では細かい調整を行うため、より精密な仕上がりが期待できます。特に、咬み合わせのバランスを整えることに適しています。
3. 難症例にも対応可能
ワイヤー矯正のみでは仕上がりが不十分な症例や、マウスピース矯正単独では対応が難しいケースにも対応できます。例えば、歯のねじれや重度の叢生(ガタガタの歯並び)なども、効果的に治療できます。
4. 審美性の向上
ワイヤー矯正のみでは装置が目立つというデメリットがありますが、後半の仕上げをマウスピース矯正に移行することで、目立たない治療が可能になります。特に、人前に出る機会が多い方にとって、大きなメリットとなります。
5. 取り外しの利便性
マウスピース矯正に移行すると、食事や歯磨きの際に装置を取り外すことができるため、口腔内の清潔を保ちやすくなります。これにより、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。
実はデメリットと申しますか、当然ながらリスクもあります
たとえば、
1:治療計画の複雑さ
ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせるため、治療計画の立案が複雑になります。
2:コストの増加
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方の費用が発生するため、単独の矯正方法よりも費用が高くなることがあります。くろさき歯科では、ワイヤーとマウスピースの両方の治療ができる歯科医師がおります。前半と後半で担当が変わる場合も、院内の矯正医が担当しますので、できる限りコストを上げない取組みを行なっています。
3:治療期間の予測が難しい
途中で治療方法を変更するため、計画通りに進まない場合があり、治療期間が延びる可能性があります。
4:歯根吸収や歯肉退縮のリスク
ワイヤー矯正とマウスピース矯正では歯の動き方が異なり、過度な力がかかると歯根吸収や歯肉退縮のリスクが高まる可能性があります。
5:咬合調整が難しくなる可能性
仕上げの段階で微調整が必要になった際、マウスピース矯正だけでは対応しにくい場合があります。この点は、治療計画と途中の診断が重要になります。
6:矯正医の技術に依存
複雑な治療計画が必要になりますので、矯正医の技術によって治療の質が左右されやすく、経験の少ない医師が行うと予測した結果と異なる可能性があります。
7:患者の期待と実際の結果のギャップ
ハイブリット矯正は、「短期間」、「難しい症例に対応」などのメリットが強調されますので患者様の期待と現実のギャップが生じやすいと言えます。治療前に矯正医と患者様が仕上がりや期間についてゴールを共有しておくことが大切でしょう。
ハイブリッド矯正は、症例によっては大きなメリットを持つ治療法ですが、上記のようなデメリットも多くあります。特に 治療計画の複雑さ、コストの増加、患者の自己管理の必要性などは慎重に考慮するべきポイントです。やはり、どの歯科医院でハイブリッド矯正を行うのか重要になりますね。
矯正を専門としている歯科医院であれば、ハイブリッド矯正の治療はできると宣伝しています。しかし、ハイブリッド矯正を適切に行うには、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方に精通している歯科医師が必要です。どちらか一方の治療法に偏っている場合、適切な治療計画を立てることが難しくなります。
歯科医師の力量の差が出るとしたら、治療法だけでなく、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の適切な切り替えタイミングを見極めるための高度な診断力だと思います。この点から考えれば、高度なハイブリッド矯正を提供できる歯科医院は限られているかもしれませんね。
くろさき歯科では、まずワイヤー矯正で歯を大きく動かし、その後にマウスピース矯正を取り入れることで、難症例でもスピーディーに治療が進めることを目的としています。
ワイヤー矯正の段階では、しっかりと歯の位置を整え、その後のマウスピース矯正で微調整を行うため、従来の矯正治療よりも効率的な治療が可能です。このアプローチにより、患者様にとって負担の少ない治療を実現しています。
さらに、他院と違うとしたら、総合的な歯科治療が可能であることです。
くろさき歯科には、虫歯や歯周病の専門医が在籍しているため、矯正治療だけでなく、口腔全体の健康管理も一貫して行うことができます。 矯正治療中に虫歯や歯周病が進行すると、治療が中断される可能性があります。しかし、くろさき歯科では、矯正治療と並行して必要な歯科治療を受けられるため、より安心して矯正治療を進めることができます。
そうです。矯正治療は、一人ひとりの歯の状態やライフスタイルによって最適な方法が異なります。自分に合った治療法を見つけるためには、専門的な診断を受けることが重要です。
くろさき歯科では、矯正相談を行っており、患者様のご希望やお口の状態に合わせた最適な治療プランをご提案します。ハイブリッド矯正が適しているかどうかを含め、詳しくご説明いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
この記事では、ハイブリッド矯正についてさいたま市のくろさき歯科、黒崎俊一先生にお聞きしました。ハイブリッド矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせることで、より短期間で高精度な矯正治療を実現する方法です。
くろさき歯科では、難症例にも対応できるハイブリッド矯正を提供し、さらに虫歯や歯周病の専門医が在籍しているため、矯正治療中も総合的な口腔ケアが可能です。
自分に最適な矯正治療を知りたい方は、ぜひくろさき歯科の矯正相談をご利用ください。理想の歯並びと美しい笑顔を手に入れるために、専門医がしっかりとサポートいたします。
歯科矯正をお考えの方は、ぜひくろさき歯科の無料相談にお申し込みください。
Contact
お口の健康に関するお悩みや疑問を、ご相談ください。
くろさき歯科の専門家が親身になってお話を伺い、一人ひとりに最適な治療方法をご提案いたします。
お気軽にご予約ください。