インプラントと入れ歯を比較する際に知っていただきたい7つのこと / さいたま市歯科医師監修 | [公式]くろさき歯科

インプラントと入れ歯を比較する際に知っていただきたい7つのこと

歯を失うことは、誰にとっても大きな出来事です。失った歯をどう補うかによって、健康や生活の質に大きな影響を及ぼします。本記事では、歯を無くした時に選べる主な選択肢である「インプラント」と「入れ歯」の特徴や、選択する際に考慮すべきポイントを分かりやすく解説します。
監修者はさいたま市のくろさき歯科 黒崎俊一院長です。

【監修者】黒崎俊一先生

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インプラントと入れ歯の違い

― インプラントと入れ歯を比較する際、注意することを教えてください。

両者の違いとして、インプラントは、チタン製の金属の人工歯根をアゴの骨にネジで埋め込み、その上に人工歯を取り付ける方法です。入れ歯は取り外し可能な義歯で、口腔内に固定するのではなく、歯ぐきやアゴの骨の形に合わせて作製されます。歯をなくした際には、ブリッジも選択肢に含まれますが、隣接する健康な歯を削る必要があるため、今回は詳細を省略します。

インプラントと入れ歯の最も大きな違いは、入れ歯には保険適用と保険適用外のものがあるという点です。保険適用の入れ歯は素材や治療方法が決められており、保険外の入れ歯とは大きく異なります。

インプラントは数十万から数百万円もかかる術式です。保険外の自由診療の入れ歯とインプラントを比べなければ、比較の対象になりません。

インプラントに向いている人

― まずはインプラントが好ましい患者様について教えてください。

私は補綴の専門家で、歯科的には歯がなくなった部分を補う治療分野を担当してきました。専門家として、入れ歯とインプラントはよく比較について質問を受けます。きちんとした術式で行えば、インプラントは天然歯に近い性能を発揮します。インプラントは以下のような方に向いていると思います。

● 骨の状態が良い人: アゴの骨が十分にある人が適しています。骨が不足している場合、骨の移植などの処置が必要です。
● 長期間のメンテナンスができる人: インプラントは適切にケアすれば長期間使えることもあります。そのためには当然ですが、長期的なメンテナンスをする必要があります。
● 自然な噛み心地を重視する人: 自分の歯に近い感覚で食事が楽しめます。
● 取り外し式の義歯に抵抗がある人: 入れ歯のように取り外し不要で、違和感が比較的少ないことが特徴です。
● かみ合わせが整っている人: 左右上下のかみ合わせが合っている人ですね。かみ合わせを意識しないでインプラントを入れると、正常な歯が損傷してしまうことがあります。
● 費用に余裕がある人: 費用が高額になりがちなので、お金の余裕がある人にはお勧めできます。

という方がインプラントに適していると思います。

入れ歯に向いている人

― 入れ歯に向いている方はどんな患者様でしょうか?

入れ歯に向いていない人というのはいませんので、インプラントとの比較でご説明をいたします。

● 費用を抑えたい人: インプラントよりも安価に作ることができます。
● 外科手術を避けたい人: 入れ歯は手術を必要としないため、糖尿病や心臓病で外科処置ができない方、手術に抵抗がある方に適しています。
● 全体的に歯が少ない人: 特に総入れ歯の場合、一気にすべての歯を補うことが可能です。
● 調整が必要な人: 噛み合わせや見た目の調整が比較的容易です。
● 治療を早くしたい人: 手術を伴わないので、治療期間を短く、最短2回程度の通院で入れ歯の装着ができます。

私が義歯を薦める理由は、時間をかけて口腔内全体を治療することができるからです。
虫歯や歯周病が原因で歯がなくなっているということは、抜けてしまった歯だけでなく、残っている歯の状態も悪いと考えられます。また、歯がない状態で日常生活を送っていると、かみ合わせが合わなくなっていると想像できます。こうした場合、インプラントを入れるだけでは問題は解決しません。もちろん、義歯も同様です。

くろさき歯科では、よいお口の状態は、「歯」「歯ぐき」「噛み合わせ」の3つの要素で考えています。入れ歯(義歯)の場合、3つを治療しながら、入れることができるので、長期的に見ても、患者様にとって有効だと思います。

自費の入れ歯の可能性

― 入れ歯はインプラントよりも、性能が劣るイメージがあります

確かに保険適用の入れ歯は基本的な機能を果たしますが、見た目や快適さに制限があります。
自費で作る入れ歯は以下の点で高性能です。

○ 素材の自由度: 金属床やシリコン製の柔らかい素材などで薄く作れるので、歯ぐきへのあたりのやさしく、快適性や耐久性を重視した選択が可能。
○ 審美性: 自然な歯並びや色合いを再現できるため、見た目が美しく仕上がります。
○ 耐久性: 長期間使用できる高品質の素材が選べます。

以下の写真は、自費で作られた総入れ歯の一例です。自然な歯並びを再現したデザインが特徴です。

自然な歯並びと歯の色を再現した入れ歯模型

さらに大きな特徴は、くろさき歯科では、2段階で入れ歯を作成するということです。

第一段階
虫歯、歯周病、かみ合わせの治療を行いながら、治療用の仮の入れ歯を作ります。こちらは、足したり削ったりできる素材で、お口にぴったり合うまで調整をします。くろさき歯科では、入れ歯ができるまで歯がない状態を避けるために、仮入れ歯を作製しています。試着のスーツのようなもので、実際に日常の生活で使い心地を実感していただくことができます。

第二段階
仮の入れ歯でぴったり合った後で、本入れ歯を作製します。こちらは、仮の入れ歯をコピーして作製します。そのため、すでに使い心地を確認していただいていますので、出来上がった入れ歯が思っていたものと違うということはありません。ご希望に応じて素材も選んでいただけますので、インプラントと比較しても遜色ないと思います。

オールオンフォーと総入れ歯の比較

― 最近、オールオンフォーというインプラントをする歯科医院が増えています

そのようですね。「オールオンフォー」は、上下どちらかの顎に4本のインプラントを埋め込み、それを基盤として全体の人工歯を支える方法です。歯がボロボロや抜け落ちている場合でも、しっかりと噛めるようになるという点では、画期的な術式だと思います。

それでも、残っている歯を全部抜いてしまう、高額な治療費、継続的なメンテナンスや外科手術のリスクを考慮して、くろさき歯科では、総義歯を推奨しています。総義歯も同様に美しい歯並びを作ることができます。両者の違いを比較してみましょう。

オールオンフォー
利点: 安定感が高く、自然な見た目と噛み心地が得られる。
欠点: 高額であり、手術が必要。
   残っている歯を全部抜く。
   4本のインプラントのうち、1本が悪くなると継続して使うことができない。

総入れ歯
利点: 手術不要で、調整が容易。費用を抑えられる。
欠点: 固定力がインプラントに比べ劣る。

どちらが良いかは、個人の希望や予算に応じて変わります。

インプラントと入れ歯を比較する際に考えるべき7つのポイント

― インプラントをすすめられて迷っている人はどのように判断すればいいでしょうか?

最終的には個人の決断になりますので、どちらがいいとは申し上げにくいですが、基準になるポイントをご紹介します。

1:費用

インプラントは高額になりがちで、総義歯は、保険の入れ歯と比較すれば高額ですが、インプラントと比較すれば安価です。治療予算は無理のない範囲がおすすめです。

2:手術の有無

インプラントには外科手術が必要であり、入れ歯は手術が不要です。糖尿病や心臓病、その他全身のご病気で外科手術に心理的な抵抗感がある人は、自費診療の入れ歯を作製できる歯科医院に相談をしてもいいと思います。昨今の入れ歯の精度を確認してもよろしいかと思います。

3:自然な見た目

インプラントと同様に、自費の入れ歯は審美性に優れたものがあります。針金はないものや入れ歯のベース部分が薄く、違和感の少ないものもあります。

4:噛み心地と安定性

インプラントは安定しており、自然な噛み心地であり、入れ歯は固定力で劣る場合もあると思われがちです。しかし、両者の差は小さくなっており、入れ歯は調整可能である点がメリットだと思います。

5:メンテナンス

インプラントは長期間に定期的なメンテナンスが必要となります。義歯は取り外して簡単に清掃可能です。この点は、治療を行う年齢に影響します。将来、介護が必要になる場合は、ご自身でのメンテナンスが負担になるかもしれません。

6:治療期間

インプラントは早期に歯を入れることができますが、手術後の回復期間が必要になることがあります。義歯は口の状態によりますが、比較すると短期間で完成します。

7:健康状態

お口以外に疾患がある場合、インプラントが難しい場合もあります。逆に義歯は、健康上の問題によって治療ができないことはないですね。

8:再治療

インプラントの状態が悪くなってしまい、抜く必要が出てきた時には、アゴの状態も悪くなっていれば、再びインプラント治療ができないことがあります。また、アゴの骨に問題がなくても、高齢になれば全身のご病気で手術ができないことがあります。足が悪くなって、通院が難しいケースもあるかもしれません。入れ歯は修理ができるので、再治療のリスクがありません。

入れ歯の優位性

― 改めて、くろさき先生が入れ歯を推奨している理由を教えてください

費用面と健康上のリスクを考慮した結果、必ずしもインプラントが最良ではないと考えるからです。
入れ歯(義歯)のメリットとしては、

1:選択肢: 保険適用の入れ歯も存在し、経済的な負荷が比較的小さい為、平均的な選択として人気があります。自由診療の入れ歯になると、さらに選択肢が広がります。

2:手術不要: インプラントと違い、大がかりな手術を要しないため、リスクが抑えられます。

3:カスタマイズ性: 自費の入れ歯においては、個人の歯型や要件に対応したカスタマイズ法が可能です。また、修理や補修がインプラントと比較して容易なので、長期間お使いいただくこともできます。くろさき歯科の場合は、2段階で入れ歯を作りますので、修理中は仮の入れ歯をスペアとしてお使いいただくことができます。

インターネット上では、「インプラント 失敗」という記事が多数散見されますが、入れ歯に関しては、調整はあっても、失敗というものがありません。それが、くろさき歯科が入れ歯を推奨している理由です。
もちろん、最終的には、ご自身のライフスタイルや健康状態、予算に合った方法を選ぶことが重要です。歯科医と十分に相談し、自分に最適な方法を見つけてください。

この記事が、歯をなくした際の選択肢についての理解を深める助けになれば幸いです。

インプラントを考えたら、最新の入れ歯情報についても知っていただきたいと思います。
初回は無料で相談をお聞きしています。

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