2026/01/09
その他
「噛み締め」とは、上下の歯を強く接触させる行為を指します。日常生活の中で無意識に行われることが多く、例えば集中しているとき、ストレスを感じているとき、あるいは就寝中に発生することがあります。このような無意識の噛み締めを「ブラキシズム(歯ぎしり)」と呼びますが、これには歯ぎしり、食いしばり、噛み締めが含まれます。
力を入れる時に、「歯を食いしばる」という経験は誰もがしていると思いますが、無意識のうちに「噛み締め」をしているのは少々問題です。
適度な噛み締めは、食事や会話に必要不可欠ですが、過剰な力が加わると歯や顎に負担をかける可能性があります。このような状態を長期間続けると、歯や口腔内にさまざまな悪影響を及ぼします。
噛み締めによる歯のリスクについて、さいたま市のくろさき歯科、黒崎俊一院長にお話を伺いました。
黒崎 俊一(くろさき しゅんいち)
くろさき歯科 院長/日本歯科専門医機構 補綴歯科専門医

大学卒業後、補綴学(ほてつがく:歯を失った部分を補う治療分野)を専門に研鑽を積み、日本歯科専門医機構 補綴歯科専門医資格を取得。これまでに総義歯・部分義歯など数千症例を担当。
とくに「入れ歯治療」においては、マイクロスコープを用いた精密診断と2段階工程によるオーダーメイド入れ歯を導入し、患者一人ひとりに合わせた快適な咬合(噛み合わせ)を実現している。
「入れ歯は妥協ではなく、人生を取り戻す治療」をモットーに、見た目の自然さ・噛みやすさ・発音のしやすさまで総合的にサポート。地域の高齢者から「何でも噛めるようになった」「人前で笑えるようになった」との声が寄せられている。
噛み締めの大きな課題は、歯根破折でしょう。
歯根破折とは、歯の根の部分に亀裂や破損が生じる状態で、文字通り歯が破損するということです。原因の一つとして過度な「噛み締め」が挙げられます。噛み締めで歯が割れるというと驚かれるかもしれませんが、実は歯がなくなる原因はおおよそ次の3つのパターンになります。

噛み締めは、特に無意識のうちに強い力で歯を噛み合わせる習慣や行動を指します。ストレスや緊張が原因となる場合が多く、夜間に無意識に行う「歯ぎしり(ブラキシズム)」も含まれます。
強い噛み締めは、歯や歯周組織に持続的で過度な負荷を与えます。その結果、歯の根の部分に亀裂が入りやすくなり、次第に破折へと進行します。特に、根管治療後の歯やクラウンが被せられた歯は脆弱になっており、噛み締めによる力が直接的な原因で破折を引き起こしやすくなります。
また、噛み締めは顎関節や咬筋にも影響を与え、顎関節症や頭痛を引き起こすこともあります。歯根破折を予防するためには、マウスピース(ナイトガード)を使用したり、ストレス管理を行ったりすることが有効だと考えられますが、噛み締めの癖を早期に発見することが第一歩です。
噛み締めによる歯の問題がたくさんあります。
1:虫歯の進行
噛み締めの強さによる摩耗が歯の表面を弱め、エナメル質の劣化を早めることがあります。これにより、虫歯の進行が加速するリスクが高まります。また、噛み締めが原因で歯の亀裂が発生することがあり、亀裂から細菌が侵入して虫歯が深刻化する可能性もあります。
2:歯周病の悪化
強い噛み締めによって歯ぐきや歯周組織に負担がかかり、炎症や出血が生じやすくなります。特に歯周病を持つ患者では、噛み締めが歯周病の進行を早め、最悪の場合、歯の喪失につながることがあります。
3:歯の破損
過剰な咬合圧は歯にひびを入れたり、歯を欠けさせたりすることがあります。これにより修復が必要になり、最終的には神経治療やクラウンの装着が必要になる場合もあります。
4:入れ歯への影響
入れ歯を使用している方にとって、噛み締めの強さは大きな課題です。過度な力が加わることで、入れ歯が破損したり、歯ぐきへの圧力で痛みや炎症が起きたりします。これにより、入れ歯の調整が頻繁に必要となります。
5:歯列矯正への影響
矯正治療中の患者においても、噛み締めは問題を引き起こします。矯正器具やワイヤーに過剰な負担がかかり、破損や治療の遅延を招く可能性があります。また、咬合圧が矯正治療による歯の移動に影響を及ぼし、治療計画に支障をきたすことがあります。
噛み締めの強い状態を「咬合圧過多」と言います。咬合圧過多は、噛み締めによる力が過剰に強い状態を指します。咬合力のバランスが崩れた状態であり、歯や顎関節、歯周組織に長期的な悪影響を与える可能性があります。
その通りで、無意識の噛み締めは自覚が難しいと言えます。日常的に次のような症状を感じる場合は、咬合圧過多の可能性があります。
これらの症状がある場合、歯科医に相談することをお勧めします。
できます。咬合圧を客観的に計測する方法として、「MYO NYX」という表面筋電計があります。
MYO NYX は、顎の筋肉活動を計測し、咬合圧を数値化するデバイスです。以下の特徴があります:
MYO NYXにより、咬合圧の問題を正確に把握できるため、適切な治療計画を立てることが可能になります。

詳細はこちら:MYO NYX公式サイト
咬合圧過多の資料法をご紹介しますと、
・ボトックス治療(ボツリヌス療法)
ボトックス注射は、咬筋(噛むための筋肉)の過剰な活動を抑制する治療法です。筋肉の収縮を一時的に緩めることで、過剰な咬合圧を軽減します。
ボトックス治療は効果が永続的ではないため、3~6ヶ月ごとに再施術が必要です。これにより、長期的な改善を目指します。
咬合圧過多を防ぐために、以下のセルフケアを取り入れることをお勧めします。
・マウスピースの使用
寝るときにマウスピースを装着することで、歯への直接的な力を緩和します。歯科医院で自分専用のものを作成することが望ましいです。
・ストレス管理
ストレスが咬合圧を高める原因になることがあるため、リラクゼーション法や趣味を取り入れることが役立ちます。
・咬筋のストレッチ
軽い顎のストレッチやマッサージを行い、筋肉の緊張を和らげます。
・定期的な歯科検診
定期的に歯科検診を受け、歯や咬合の問題を早期に発見し、適切な対応をすることが大切です。
くろさき歯科では、咬合圧の測定とケアのサポートをしていますので、入れ歯と歯列矯正をお考えの方は、ぜひお申し込みください。
噛み締めの強さは、虫歯や歯周病、歯の破損、入れ歯や矯正治療への悪影響を引き起こす可能性があります。咬合圧過多の診断には、MYO NYXのようなデバイスが有効であり、治療にはボトックスやセルフケアが役立ちます。日常生活で噛み締めを意識し、早期に対処することで、健康な歯と顎を維持することができます。
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