2026/02/15
矯正治療
― 見た目・噛みにくさ・歯の寿命 ―
「若い頃は気にならなかった歯並びが、40代になって急に気になり始めた」
このような声は、歯科医院の現場では決して珍しくありません。
40代で歯列矯正を検討する人が増えている背景には、
単なる美容意識の高まりだけでは説明できない“変化の実感”があります。
それは、見た目・噛みにくさ・歯の寿命という、日常生活と将来に直結する問題です。
この記事では、小児の矯正から、高齢者の入れ歯作りまでを行い、患者様の人生について考える「Think Life」を提唱しているさいたま市のくろさき歯科、黒崎俊一先生にお話をお聞きしました。

一定の特徴はあると思います。40代になると、「歯並びが悪くなった気がする」と感じる方が増えます。
しかし実際には、歯そのものが急に動いたわけではありません。
多くの場合、次のような変化が重なっています。
これらは加齢と咬合力(噛む力)の影響によるもので、若い頃には目立たなかった歯並びのクセが、40代になって表面化してきたということです。
実は、見た目の違和感は「歯並びの問題」ではなく「噛み方や支えの変化」が引き金になっていることがあります。しかし、患者様はそのような知識がないので、「歯並びが悪くなった」と感じて、歯列矯正をお考えのケースが多いですね。
40代で歯列矯正を考え始める他の理由は、噛みにくさを感じることです。
こうした違和感は、突然現れるものではありません。長年の噛み癖や歯並びのズレが蓄積し、限界を迎えるのが40代であることが多いのです。
特に、仕事や生活のストレスが増える年代では、食いしばりや歯ぎしりが強くなり、噛み合わせの不調が顕在化しやすくなります。
食いしばりを甘くみてはいけません。強い食いしばりは歯が欠けたり、破損することもあります。くろさき歯科では、入れ歯の治療も行っていますが、歯がなくなる原因は虫歯や歯周病だけではありません。食いしばりも原因のひとつです。

そうですね。若い頃と比較して、歯のケアについて意識を高めることは重要だと思います。40代になると、身近な人の変化を通じて「歯を失う」という現実が具体的になります。
こうした経験から、「今の歯並びや噛み合わせのままで、あと何十年も使えるのか」という視点が生まれます。
このとき初めて、歯列矯正は見た目を整える治療ではなく、歯の寿命を延ばすための選択肢として意識され始めます。
その通りです。10代・20代の歯列矯正は、「きれいに並べること」が主目的になることがほとんどです。
一方、40代では、
といった、機能と予防の視点が加わります。
この違いを理解せずに、若い世代と同じ発想で矯正を始めると、「思っていたのと違った」という後悔につながりやすくなります。
数だけで考えれば、歯列矯正を希望する人の多くは小児から30代の前半が多くなります。最近の傾向としては、40代以上で歯列矯正の相談にいらっしゃる患者様は増えています。40代は、「まだ間に合う」と「もう遅いかもしれない」の境界線にある年代です。
この心理的な揺れが、歯列矯正という選択肢を現実的なものにします。
同時に、医療情報が身近になり、「矯正=若者だけの治療ではない」という認識が広がったことも後押ししていると思います。実際、歯列矯正に歯を美しくすることとかみ合わせの安定という視点を加えれば、年齢によって遅いということはないと考えています。
40代で歯列矯正を検討する際、最初に整理すべきなのは治療法だけではないと考えています。
マウスピースがいいのか、ワイヤーがいいのかということは、目的と優先順位を明確にした後だと思います。
たとえば、
この優先順位によって、選ぶべき治療計画や診断の視点は大きく変わります。
理由が曖昧なまま進めると、「歯並びはきれいになったが、本来の悩みは解決しなかった」という結果になりがちです。
40代の歯列矯正では、歯並びだけを見て判断することは適切とは言えません。
これらを総合的に評価する必要があります。
その考え方のもと、くろさき歯科では、40代の歯列矯正相談において、見た目だけでなく「噛み方」や「歯を支える土台」を含めた診断を重視しています。歯列矯正を専門としている歯科医師とかみ合わせを専門とする補綴の専門医が連携しているのはくろさき歯科の特徴だと思います。

① 矯正を専門とする歯科医師の存在
日本矯正歯科学会の認定医をはじめ、矯正を専門分野として診ている歯科医師が在籍しているか。これは、歯を「動かす技術」の担保という意味で重要です。もちろん、認定医でなくても、優秀な矯正医はいます。こうした場合は、症例数や症例が参考になると思います。特に、40代以上の歯列矯正の症例を多く経験している歯科医師は信頼できると思います。
② 一般歯科との連携(虫歯・歯周病)
40代では、歯周病や過去の治療歴があるケースが多く、矯正単独で完結させることは現実的ではありません。
これらを専門的に対応できる歯科医師との連携が不可欠です。くろさき歯科には、非常勤ではありますが、虫歯や歯周病を専門としている歯科医師が在籍しています。
③ 多様な術式への対応
ワイヤー矯正、マウスピース矯正など、複数の術式に対応していることは重要ですが、本質は「選べること」ではありません。患者の状態に応じて、適・不適を判断できるかが問われます。
④ 補綴の専門医が「かみ合わせ」を診ているか
40代の歯列矯正で見落とされがちなのが、ここです。
将来、
矯正後のかみ合わせが、そのまま治療の土台になります。そのため、補綴(被せ物・入れ歯)を専門とする歯科医師が、矯正前からかみ合わせを評価しているかは、重要なポイントです。
そうですね。忘れてはいけないことは、40代の歯列矯正は、歯並びを整えることがゴールではないということです。これから年を重ねていく度に、
こうした視点があって初めて、「やってよかった矯正」になります。当院で歯列矯正をしていただいた患者様が将来、歯を失ったとしても、かみ合わせを重視した補綴や入れ歯作製のサポートができます。患者様が自らの健康について自発的に考える姿勢を身につけていただくために、長いお付き合いを念頭に置いた治療をしています。こうした考え方をくろさき歯科では、「Think Life」というコンセプトで表現しています。
くろさき歯科では、40代の歯列矯正において次の点を重視しています。
矯正を「単独の治療」にせず、口全体を長期的にどう守るかを基準に診断を行っています。
まずは、無料のカウンセリングにお越しいただいて、気になることをご相談ください。
40代が歯列矯正を考え始める理由は、決して「きれいにしたい」という動機だではありません。
これらが重なった結果、歯をどう使い続けるかという問いに行き着きます。
40代の歯列矯正は、過去を取り戻す治療ではなく、これからの人生に備える医療です。
その視点を持てるかどうかが、後悔しない選択につながります。
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