
歯をなくした人の選択肢のひとつが入れ歯です。入れ歯は保険適用のものから、自由診療のものまで様々な種類があります。保険適用の入れ歯は安価ですが、製作工程に制約が多く、満足度の高いものができない場合に、改良が難しいというデメリットがあります。 特に入れ歯の土台(ベースの部分)が大きく厚い場合は、不快感があり、味覚や発音にも影響が出てしまいます。この点は自由診療の入れ歯だから解消できるというものでなく、入れ歯自体の構造から考えないといけないようです。 そこで、さいたま市で入れ歯を専門にしているくろさき歯科の黒崎俊一院長に入れ歯の専門家として意見を聞きました。 くろさき歯科が提唱しているノンベース入れ歯について紹介していただきました。
まずは、口の状態に入れ歯があっていないという問題です。歯がない状態で食事をしている期間で、口の上下の噛み合わせが崩れます。保険の入れ歯の場合、崩れた噛み合わせの型を取って入れ歯を作るので、違和感が大きくなることがあります。
次の問題は、歯茎の状態です。歯周病が進行していると歯茎が弱っています。弱った歯茎に入れ歯を装着すると、痛みを感じやすくなります。
3つ目の問題は、入れ歯の形状です。入れ歯の装着感や使用感に関する不満の声も少なくありません。
特に、土台(ベース)が不快感を与える理由は、ベース部分がお口の中で大きく、装着時に異物感を感じるということです。
・喉に触れる感覚があり、吐き気を誘発する場合がある。
・厚みが気になる
・味を感じにくい
・発音が不自然になることがある。
・ベース部分が厚いため、舌の動きが制限される。
という点を改良していく必要があると考えました。
これらの課題を解決するのが「ノンベース入れ歯」です。
入れ歯の課題
● 噛み合わせのズレにより入れ歯が合わない
● 歯茎の劣化により入れ歯が合わない
● 入れ歯の形状により入れ歯が合わない
「ノンベース入れ歯」は、従来の入れ歯に比べてベース部分を少なくして、薄型で軽量化された新しいタイプの入れ歯です。この入れ歯の最大の特徴は、「土台が小さい」ことで、快適な使用感を実現している点です。
ノンベース入れ歯の主な特長
○ ベース部分が小さく違和感が少ない
○ 喉への違和感を解消。
○ 吐き気や不快感を感じにくい。
○ ノンクラスプデザイン
○ 金属の留め具を使用しないため、目立たない。
○ 自然な見た目を追求。
○ 薄くて軽い設計
○ 入れ歯全体が軽量化され、装着感が向上。
○ 舌の動きや発音への影響を最小限に抑える。
以下に、従来の入れ歯との違いを比較表でわかりやすく示します。
項目 |
従来の |
ノンベース |
ベース部分 |
大きく |
極限まで |
装着感 |
異物感を |
軽く自然な |
発音への影響 |
ベースの厚みで |
影響が |
くろさき歯科は、開業以来入れ歯作りを専門としてきました。入れ歯作りの技術は進歩していますが、特に注力をしてきたのが噛み合わせのバランスをとり、入れ歯の安定を高めることでした。くろさき歯科の強みである入れ歯の安定と最近の入れ歯の技術進歩でベース部分が小さい入れ歯を提供することが可能になりました。 ノンベース入れ歯をご提供することで、患者様に複数のメリットが提供できるようになりました。構造の違いで2種類のデザインの違うものがあります。ひとつ目は、従来の金属のクラスプと言われる部分が金属ではなく、正確にはノンメタルクラスプと言われるタイプです。2つ目は、クラスプを全くと買わないタイプです。
(1) 快適な装着感
ベース部分を小さくしたことで、従来の入れ歯特有の「異物感」が解消されました。喉への触感や吐き気を感じにくく、より自然な感覚で使用できます。
(2) 日常生活での違和感が軽減
薄型軽量設計のため、発音や食事の際に口内の制限を感じることが少なくなります。また、舌の動きが自然に保たれることで、食べ物の味をより楽しむことができます。
ノンベース入れ歯が適している患者様は、
・喉への違和感や吐き気を訴える方
・発音や舌の動きに敏感な方
改善を重ねてきたので、入れ歯の不快感の解消に繋がっていると思います。
もちろん、ノンベース入れ歯にも限界や注意点があります。 ノンベース入れ歯は、快適さと自然な見た目を両立させるため、非常に高度な技巧技術を持つ設計が求められる入れ歯です。そのため、高度な技工技術と専門的な知識を持つ歯科医師と技工士による製作が必要不可欠です。保険適用の入れ歯では製作することができません。自由診療になるので、保険適用の入れ歯と比較して高価になります。
また、繊細な設計ゆえに次のような問題が生じる場合があります。
・適応症例に制限がある
・歯を大きく失った方や、残存歯がほとんどない方には適さない場合があります。
・軽量化された設計のため、使用状況によっては従来の入れ歯よりも耐久性に劣る場合があります。
・患者様の口腔内の状態によって適切な治療法が異なるため、専門医との相談が重要です。
注意する点は、噛み締め癖によるすり減りです。就寝中に無意識に強く噛み締める癖がある場合、入れ歯のすり減りが大きくなり、入れ歯の安定が損なわれます。特にノンベース入れ歯は薄型設計のため、このような点に対して注意が必要です。
また、歯周病による使用制限が出ることがあります。歯周病で歯が抜け落ちてしまうと、残存歯を支えにした入れ歯は使用できなくなります。入れ歯の安定性を保つためにも、虫歯や歯周病の治療とメンテナンスが重要です。
ノンベース入れ歯を長期間快適に使うためには、噛み合わせの精密な調整が欠かせません。噛み合わせが適切でないと、入れ歯に過剰な力がかかり破損や不快感の原因になります。
当院では、2段階で入れ歯を作製します。まずは治療用の入れ歯を使って、噛み合わせを治療します。特に、歯を抜いた後などは、歯茎が弱っているので、この段階で型を取って入れ歯を作っても、すぐに合わなくなってしまいます。オーダースーツに仮縫いがあるように、入れ歯でも、治療用の仮入れ歯で使い心地を確認していただいてから、本入れ歯を作製します。
また、虫歯や歯周病が進行していると歯茎のコンディションが悪く、歯が抜けてしまうと入れ歯を作り直さなければなりません。ですから、くろさき歯科では、虫歯や歯周病の専門医が入れ歯作りと同時に、虫歯と歯周病の治療を行なっています。
・レントゲンによる診断と治療計画
・体のバランス測定
・精密診断とマイクロスコープを用いた治療
・噛み合わせ調整を含む専門的な入れ歯治療
・歯周病や虫歯の治療とメンテナンス
・ストレス軽減をサポートするエクササイズのアドバイス
こうした複合的なサポートで、患者様一人ひとりのライフスタイルや体調を考慮し、入れ歯治療を含めたトータルケアを行うことで、より良い生活の質を提供します。
入れ歯は生体に装着するものですから、どんなに精巧な入れ歯でも生体が変化してしまうと、合わなくなってしまいます。歯がなくなっているということは、これまでの生活習慣が原因になっています。ですから、入れ歯を入れてからの生活習慣の改善が大切です。免疫力を高める食事、体をゆるめるエクササイズなど、生活習慣を変えていくことでより健康な人生を送ることができます。 私が患者様にお伝えしていることは、歯や体の疾患は、人生に気づきを与えるということです。入れ歯治療をきっかけに人生そのものの質も高めていただきたいと思います。
ノンベース入れ歯は、従来の入れ歯の課題を解決しつつ、快適で自然な生活を提供する画期的な選択肢です。装着感や見た目に不満を抱えている方、従来の入れ歯が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
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