2026/11/06
この記事のポイント
「80歳になっても20本以上、自分の歯を保とう」。8020(ハチマルニイマル)運動は、1989年に始まった、日本でもっともよく知られた歯の健康づくり運動です。
この記事では、まず8020運動の始まりや「20本」の根拠、最新の達成率を整理します。そのうえで、補綴(ほてつ)歯科専門医の立場から、「20本あれば本当に十分なのか」という問いについて考えます。
すでに奥歯を失っている方、部分入れ歯が合わないとお悩みの方は、記事後半のご案内もあわせてご覧ください。
▶ 歯を失った方の無料相談
▶ 部分入れ歯が合わない方のセカンドオピニオン
8020運動は、「80歳になっても20本以上の自分の歯を保とう」という目標を掲げた運動です。1989年(平成元年)に、厚生省(現在の厚生労働省)と日本歯科医師会が提唱しました。
「8020」は「ハチマルニイマル」と読みます。80歳と20本を組み合わせた言葉です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | ハチマルニイマル |
| 開始 | 1989年(平成元年) |
| 提唱 | 厚生省(当時)・日本歯科医師会 |
| 目標 | 80歳になっても20本以上の自分の歯を保つ |
| 達成率 | 運動開始当時:10人に1人未満 → 平成28年:51.2% → 令和4年:51.6% → 令和6年:61.5%(推計値) |
厚生労働省の情報サイトでは、およそ20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることが調査で示されていると説明されています。20本は、「生涯、自分の歯で食事を楽しむ」ための一つの目安として設定された数字です。
運動が始まった頃、8020を達成している人は10人に1人にも満たない状況でした。
その後、予防意識の高まりや歯科医療の進歩によって達成者は増え続けています。平成28年の調査では51.2%、令和4年の歯科疾患実態調査では51.6%と半数を超え、令和6年の調査では61.5%(75〜84歳の結果からの推計値)となりました。
この61.5%は、2025年6月に公表された最新の数値です。まだ前回調査の「51.6%」を掲載している情報も多いため、本記事では最新値で統一しています。

8020とあわせて、「60歳で24本以上の自分の歯を保つ」という目標(6024)も、国の健康づくり計画「健康日本21」などで使われてきました。80歳で20本を保つには、それより前の年代から歯を守ることが大切だという考え方です。
8020を達成する人が6割を超えた今、次に考えたいのは、「残った20本で、しっかり噛めているか」です。
大人の永久歯は、親知らずを除くと28本あります。80歳で20本残っているということは、8本の歯を失っている場合もあるということです。

同じ20本でも、どの歯を失ったかによって噛む能力は変わります。
例えば、前歯が残っていても奥歯を多く失っていれば、硬いものを噛んだり、食べ物を細かくすりつぶしたりすることが難しくなる場合があります。反対に、20本の歯が上下でしっかり噛み合っていれば、日常の食事に大きな不自由を感じないこともあります。
補綴歯科では、上下の奥歯がどこで噛み合っているか(咬合支持〈こうごうしじ〉)を重視します。奥歯の噛み合わせは、噛む力を受け止めるだけでなく、顎の位置や噛み合わせ全体の安定にも関わるためです。
例えば、左右どちらの奥歯でも上下がしっかり噛み合っている方と、片側の奥歯に噛み合う相手の歯がない方とでは、同じ本数でもお口の中で起きていることが異なります。噛み合う相手を失った側では、残っている歯に負担が集中したり、片側だけで噛む癖がついたりすることがあります。

一方で、歯がそろっていなければならないわけではありません。歯科の分野では、一番奥の歯までそろっていなくても、手前の奥歯(小臼歯)までの噛み合わせが保たれていれば、日常の食事に大きな支障がない場合もあるという考え方(短縮歯列)が議論されてきました。
つまり、補うべきかどうかは本数だけでは決まりません。どの歯を失ったのか、今どの程度噛めているのか、残っている歯や歯ぐきの状態はどうか。これらを総合的に診断したうえで判断することが大切です。
次の項目に当てはまるものはありませんか?
当てはまる項目がある方は、今のお口の状態を一度確認しておくことをおすすめします。
特に「部分入れ歯を使っているが、合わない・外していることが多い」に当てはまる方は、入れ歯の調整や再製作が必要なケースがあります。
▶ 部分入れ歯が合わない方のセカンドオピニオン
奥歯を1本失った方、これ以上歯を失いたくない方へ
補綴歯科専門医の院長が、残っている歯の状態と噛み合わせを確認し、今後の選択肢をご説明します。相談のみのご利用も歓迎しています。
お電話でのご予約:050-7586-5084(初診専用)
奥歯を1本失っても、反対側で噛めるため、すぐに不自由を感じない方は少なくありません。しかし、失った歯をそのままにしておくと、次のような変化が起こることがあります。
こうした変化は時間をかけて進むため、気づいたときには、補う治療が難しくなっている場合もあります。変化の程度には個人差がありますが、早めに状態を確認しておくことで、選べる選択肢が広がることがあります。
奥歯を失ったあとの変化については、奥歯が抜けたまま放置するとどうなる?原因と対処を補綴の専門医が解説でも詳しくご紹介しています。
補綴(ほてつ)とは、失った歯や歯の一部を、入れ歯やブリッジ、被せ物(クラウン)などで補い、噛む機能や見た目の回復を目指す歯科医療です。歯を失った部分を補う方法には、主に次のようなものがあります。
| 治療法 | 特徴 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 部分入れ歯 | 取り外し式。周囲の歯を大きく削らずに済む場合が多い。 | 装着時の違和感。留め具をかける歯への負担。定期的な調整が必要。 |
| ブリッジ | 両隣の歯を土台にして、人工の歯を固定する。 | 土台となる両隣の歯を削る必要がある。土台の歯に負担がかかる。 |
| インプラント | 顎の骨に人工の歯根を埋め込み、歯を固定する。周囲の歯を削らない。 | 外科処置が必要。骨や全身の状態によっては適さない場合がある。 |
※この表は一般的な概念として記載しました。費用や期間は歯科医院により異なりますので、治療を検討している歯科医院にて確認をしてください。くろさき歯科の場合は、無料診断で口腔内を検査して費用と期間をお伝えしております。
入れ歯(義歯)について詳しくは入れ歯の診療ページをご覧ください。部分入れ歯が合わない・痛いとお悩みの方は、入れ歯のセカンドオピニオンのページもご覧ください。
※保険診療と自由診療(保険適用外)があり、費用・治療期間・リスクは治療内容によって異なります。詳しくはご相談時にご説明します。
※当院ではすべての治療を提供しているわけではありません。ご相談の際に、当院で行える治療かどうかも含めてご説明します。
歯を失ったまま時間がたち、隣の歯が傾いている場合などには、補綴治療の前に矯正治療で歯の位置を整える「補綴前矯正」が選択肢になることがあります。当院では、補綴を担当する歯科医師と矯正を担当する歯科医師が連携して、治療計画を考えます。
8020運動は、日本の歯科医療に大きな成果をもたらしました。私たちくろさき歯科は、その成果を大切にしながら、その先の歯科医療を考えています。その考え方を表す言葉が、「8020から8028へ」です。
20本という数字は、歯を失ってもよい本数を意味するものではありません。できることなら、1本も歯を失わずに生涯を過ごしたい。そう考えるのは自然なことです。
歯を失う主な原因には、むし歯や歯周病、噛む力による歯の破折などがあります。定期的な歯科検診や適切なセルフケア、必要に応じた治療によって、歯を失うリスクを減らすことが期待できます。
すでに歯を失っている場合は、補綴治療によって、28本の歯列が持つ噛む機能に近づくことを目指します。
もちろん、人工の歯は天然の歯と同じではありません。また、28本すべてを補うことが、すべての方にとって最善とは限りません。私たちが大切にしたいのは、歯の本数を増やすこと自体ではなく、今ある歯を守りながら、できるだけ長く食事を楽しめるお口の環境を保つことです。
そのために当院では、補綴歯科専門医の視点に加えて、歯周病を専門とする歯科医師の視点からも、歯を失った原因と残っている歯の状態を確認します。
くろさき歯科では、歯を失った方を対象に無料相談を行っています。相談だけのご利用も歓迎しており、その場で治療を決める必要はありません。
所要時間:約60分/費用:無料
当日の検査:口腔内写真・レントゲン撮影
持ち物:お薬手帳、他院の見積など(あればで構いません)
| 確認すること | |
|---|---|
| 1 | 歯を失った経緯(過去の治療歴を含む) |
| 2 | 残っている歯の状態(むし歯・歯周病の有無) |
| 3 | 噛み合わせの状態(特定の歯に負担がかかっていないか) |
| 4 | 今後の選択肢(補う治療、歯周病治療、継続管理、経過観察など) |
※相談だけでは判断できない場合、詳しい検査をご案内することがあります。抜歯の要否の判断や、急な痛み・腫れへの応急処置は、無料相談の対象外です。

院長 黒崎 俊一
日本歯科専門医機構 補綴歯科専門医/日本補綴歯科学会 専門医
失った歯を補うことは大切ですが、それだけでは、また別の歯を失ってしまうことがあります。私が大切にしているのは、なぜその歯を失ったのかを一緒に確かめ、今ある歯をこれから先も守っていくことです。8020の先にある「生涯28本」を目指して、まずは今のお口の状態を知るところから始めてみませんか。
▶ 院長紹介はこちら
「ハチマルニイマル」と読みます。「80歳で20本」を表しています。
1989年(平成元年)に、厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱しました。
令和6年の歯科疾患実態調査では、61.5%(75〜84歳の結果からの推計値)です。運動開始当時は10人に1人にも満たない状況でした。
含まれません。親知らずを含めると最大32本ですが、親知らずは生えてこない方も多いため、一般的に28本を基準とします。
いいえ。20本以上残っていても、噛み合わせのバランスや歯周病の状態によっては、今後歯を失うリスクがあります。定期的な検診で状態を確認することをおすすめします。
はい。1本の段階で状態を確認しておくことで、選べる選択肢が広がることがあります。当院の無料相談は、奥歯を1本失った方も対象です。
必ずしもそうではありません。失った歯の位置や噛み合わせ、残っている歯の状態によっては、経過観察が適している場合もあります。診断したうえで判断します。
入れ歯は、加齢による歯ぐきの形の変化や摩耗によって合わなくなることがあります。調整で対応できる場合と、作り直しが必要な場合があります。まずは現在の入れ歯の状態を確認することが大切です。長年お使いの入れ歯で違和感がある方は、セカンドオピニオンとしてご相談いただくことも可能です。
8020を達成する人は6割を超えました。これは日本の歯科医療の大きな成果です。
ただし、20本残すことだけがゴールではありません。大切なのは、残っている歯でしっかり噛めているか、そしてこれから先も歯を守っていけるかです。
あなたは今、ご自身の歯が何本残っているかご存じですか?
その歯で、食事を十分に楽しめていますか?
まずは今のお口の状態を知ることから始めてみませんか。
くろさき歯科|さいたま市 南浦和駅東口 徒歩1分
8020の、その先へ。生涯28本の歯で過ごすために。
補綴歯科専門医の院長が、残っている歯の状態と噛み合わせを確認し、今後の選択肢をご説明します。相談のみのご利用も歓迎しています。
お電話でのご予約:050-7586-5084(初診専用)
すでに部分入れ歯をお使いで、合わない・痛いとお悩みの方は入れ歯のセカンドオピニオンをご覧ください。
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くろさき歯科の専門家が親身になってお話を伺い、一人ひとりに最適な治療方法をご提案いたします。
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